「おっさん時計」は最近になって機械式時計の魅力に突然目覚めてしまったおっさんが次なる一本を購入するために必要な知識を深めていくことを目標とした連載です。【毎週水曜日に更新】
「気になる時計⑧ Sinn(ジン)」
昨年の今頃、何かいい時計は無いか何かいい時計は無いかと物色していたころ、最終候補でオメガと競っていたのがSinn(ジン)の時計でした。
当時(今もですが)はアラビア数字のパイロットウオッチで良いものを探していました。そんな中巡り合ったのがSinnでした。
Sinnはドイツのメーカーで「ジン スペツィアルウーレン」日本語では「ジン特殊時計会社」と呼ばれています。
プロフェッショナルな現場でも活躍できる実用時計を提案しているメーカーでデザイン性よりも視認性、使いやすさを追求した時計がラインナップされています。
中でも気になった時計が2018年の日本限定モデル「856.FLIEGER」でした。
Sinnでは日本限定モデルを定期的発売していてその中でもこの「856.FLIEGER」はデザインがドンピシャで正に夢に描いた時計がそこにあったのです・・・でも悩みました。
まず、当時は時計ブランドについて詳しくなくSinnは馴染みのないブランドでした。
最初に買う高級時計だし、名のあるブランドか、あるいは自分の知っているブランドがイイなぁという保守的な考え方が判断を鈍らせていました。
定価で33万円(税抜)もするものなので「カッコいい―よし買おう!」とは中々なれませんでした。
20気圧防水や、高い耐磁性(80,000A/m)、負圧耐性、Arドライテクノロジー(時計を湿度から守る機構)が搭載されているてんこ盛りの高性能なのが逆に怪しくなり(怪しくないのだけど)、「もっと高い時計でもこんな機能付いてないのに何でSinnの時計には付いているのだ!?」と頭を悩ませていました。
今思えばお金のかけ方や機能についてはブランドごとに哲学があって、Sinnは耐久性に重きを置いたメーカーであったという事です。
もう一つ悩ましかったのが、日本限定50本のモデルであったこと、そして発売直前だったことです。
最初の高級時計、せめて実物を見て買いたいと思っていました。しかし「856.FLIEGER」は発売日前で実物を見ることが当時はできませんでした。某百貨店に行き店員さんに尋ねたところ「既に予約を受けていて店頭に並ぶことはない」と言われました。
流石に実物を見ることもなく予約して買うぞー・・・とまではならず、結局オメガを買う事になったのです。
それから時が流れる事1年弱、先日本物の「856.FLIEGER」に出会う事がありました。
それも時計屋で。(ちょっと複雑な気分でした・・・限定50本なのにまだ売れ残っているのかと思うと・・・うーむ)
想像通りのカッコいい時計でした。でも今はもう買わないでしょう。(たぶん・・・いや買っちゃうかもしれない(汗))
それにはしょうもない自分ルールがあるからです。
次回、「時計の買い方(極めて個人的な)」です・・・お楽しみに。
byしんた