「おっさんは腕時計がもう一本欲しい」は最近になって機械式時計の魅力に突然目覚めてしまったおっさんが次なる一本を購入するために必要な知識を深めていくことを目標とした連載です。【毎週水曜日に更新】
晴れの日ばかりとは限らない。
雨も降る、雪も降る、嵐もやってくる。
人生の話じゃないです。天気の話です。
いざお気に入りの腕時計を身に着けて陽気な気分で街に繰り出しても、悪天候に見舞われる恐怖からは逃れられない・・・そう、大切な時計が雨で濡れてしまう恐怖からは。
機械式時計にとって湿気は大敵です。まして水に濡れてしま事は避けなければなりません。
とは言っても日常使用する上ではどうしても水に触れてしまう機会がある。
そこで、防水機能が重要になってくるのです。
今回は「防水」の話。
機械式時計は湿気に弱いのですが、それは内部の機械部分ことであり、ちゃんと防水機能が付いていれば水に濡れる位はもちろんのこと、時計の種類によっては海に潜ることも可能です。
機械式時計にかかわらずクォーツ式の時計も同様に防水機能付きがあり、現在販売されている腕時計であれば殆どのモデルに防水機能が搭載されています。
だだし、注意しなければいけないのが防水の性能。その性能はモデルによって大きく違うのです。
前述したとおり、ちょっと水滴が付くくらいなら大丈夫という程度の防水から、海に潜ることができる防水のモデルまであります。
時計の機能詳細を調べてみると、防水の項目に「5気圧」や「50m」や「5BAR(バール)」あるい「5ATM(アトム)」などと記載がありメーカーによりバラバラですが、基本的にはこの4つはニアイコールで5気圧≒50m≒5BAR≒5ARMと考えて問題ないです。(厳密にはそれぞれ意味合いが違うそうですが難しいのでパスさせて頂きます(汗))
次に問題になるのが5気圧防水ってどの程度の防水なのかってことです。
ズバリ!土砂降りの雨の中、不可抗力によって時計がビシャビシャになってしまったとしても大丈夫な時計が欲しい。
では5気圧防水は大丈夫な防水なのか?
5気圧防水とは水深50mに入れてもOKっていう防水性能です。水深50mといったら相当深いですよね、人生で一度も潜ったことが無い水深です。
ところが、5気圧防水は一般的に「日常強化防水」とされていて、手を洗った時に水しぶきがかかっても問題ありません・・・程度の防水なのです。
あれ?って思いますよね。水深50mに耐えるのに水しぶきだけってどういうことって。
この水深50mというのは科学的な検証の例え話で、流れもない静止した水深50mの水の中にそっと時計を入れた場合に水の浸入を防ぐことができる(この状態の水圧に耐えられる)ということなのです。
でも現実世界にそんな完全に静止した水など無いですよね。実際の水は流れるし動きます。
その動くエネルギーも圧力になるので、5気圧防水なら結果「日常強化防水」となってしまうのです。
次回は、じゃあ結局土砂降りでも大丈夫な防水ってどんな防水なの・・・お楽しみに。
byしんた