「おっさん時計」は最近になって機械式時計の魅力に突然目覚めてしまったおっさんが次なる一本を購入するために必要な知識を深めていくことを目標とした連載です。【毎週水曜日に更新】
「時計に付く傷」
オメガを着けて意気揚々と電車に乗って出かけていたある日のこと。
車内の座席はすべて埋まっていて、つり革が全て埋まっている程度の込み具合。
座席の前のつり革につかまり立っていて、席が空くのを虎視眈々と狙てっていると、次の駅で多くの人が降車しました。席もだいぶ空き、目の前の人も降りて席が空いたので「先も長いし、よしっ座ろう」と勇んで座ったところ・・・
「かーーーーんっっっ」
綺麗な金属音が(汗
体を反転させて座ろうとした時に座席の真ん中にある金属のポール(倒れないように捉まる棒)にオメガがクリーンヒット。美しい音色が車内に響きました。
しかし何事もなかったように座った後、目を皿にしてオメガに傷が入っていないか電車に乗っている間チェックし続けました。(取り敢えず傷らしい傷はなく一安心)
「時計に付く傷」の話。
時計の外装はポリッシュやヘアライなど施し、美しくなるように加工されています。またエッジを利かせて表情もつけてあります。
時計の外装に使われている金属はステンレスが多いのですが、日常使いをしていれば大なり小なりぶつけることはあるので細かい傷は日々ついてしまうのです。
その様な日常ついてしまう細かい傷を防ぐ為にセイコーやシチズンなどの時計には硬質コーティングやデュラテクトといった加工がされている時計もあります。ですが、この加工が施されているのはクォーツ時計が主体です。
ところが一部のブランドを除いてほとんどの機械式時計はこの手の傷防止加工はされていません。
なので、どんなに高級なブランドの時計であっても基本的に使っていれば傷が増えていくのです。
ではどうするのかというと、細かい傷が出来てしまい綺麗に戻したいと思ったらメーカーや時計店に持ち込んで研磨してもらいます。
すると新品同様になるというわけです。
おそらく、高級時計は修理して使う、研磨して綺麗に戻すことを前提にしているので傷防止の加工をしていないのかもしれません。
ただ研磨することについては賛否があり、磨くとは言っても時計を削る作業なわけで時計を削りたくないという人もいますし、そもそも細かい傷は愛用してきた歴史でもあるので残したいという人もいます。
たまに、傷だらけのロレックスをさらりと着けこなしているのを見るとカッコいいなぁと思ったりします。
自分も傷は残しておきたい派なので、大きい傷がつかないように大事に使っていきたいですね。
次回は、「手巻き時計」です・・・お楽しみに。
byしんた